Thursday, July 13, 2006

扉が閉まります

よく聞かれる車内放送に
「扉が閉まります。ご注意ください。」
というのがある。
この放送を聞くたびに私は違和感を覚える。特に車掌がこれを言うのはおかしい。
閉まるというのは自動詞であり、つまり扉が自らの意思で閉まることを意味する。たしかにリニモなど、自動運転で乗務員が乗車しない鉄道等であれば、扉は自動で(自らの意思で?)しまる訳で、この言葉は正しい。
けど通常の電車は、扉が自らの意思で閉まるのでは無く、車掌が扉を閉める。
だから、やはり
「扉を閉めます。ご注意ください。」
と言うべきだろう。

では、これはどうだろう?
「無理なご乗車おやめ下さい。扉閉まってます。」
これは、閉まりかかっている扉を無理に乗車しようとした時にアナウンスする言葉だが、これも上の理屈からするとおかしく、
「扉を閉めています。」
と言うべきかも知れない。だが実際この場合は既に"閉"のボタンを押した後でつまり扉自らの意思で閉まっている。
だから
「無理なご乗車おやめ下さい。扉閉まってます。」
で問題が無い。

ところで、駆込乗車とはなかなか恐ろしく、閉まる駅員が扉の前に立ち、入り口を塞いでも、無理やりに乗ろうとする人もいる。そして暴言を残して去っていく。そういう事をされてはこちらとしてもいい気分ではありませんね。
時に家族が離れ離れになることもあります。
扉閉めると行っているのに
「急げ、急げ」
とか言って走って電車に乗り込む。ところが乗れたのは自分だけで、家族は置き去り。
そのパターンは大半がお父さんが先に電車に乗ってしまって、妻子は置き去り。そしてお父さんは、乗れなかった妻子と扉を閉めるのを待ってくれなかった我々駅員に対し物凄く起こっている。
しかし、一方の妻子は
「そんなの乗れるわけ無いじゃん。なんでお父さんだけで先に言っちゃうのさ。」
と至って冷静。
中には力強いお父さんがいて、その扉を無理やりにこじ開けようとする。足や手などを扉の外に出して。鉄道は安全な運行の為、扉が完全に閉まったことを確認するまでは出発出来ないが、そうした事を悪用する、汚い手段だ。
そうした時は我々駅員とお父さんとで戦いが始まる。
我々も必死になって、お父さんの手や足を車内に押入れ、そして扉が閉まったことを確認し、車掌に合図を送る。
きっとお父さんは相当怒ってますね。そして後で合流した妻子に対し、物凄く怒るのかな?
とにかく駆込乗車をしては楽しかった旅行も台無しです。辞めましょう。

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