Tuesday, October 31, 2006

未履修問題

本日の閣議後記者会見で伊吹文明文部科学相は、高校の必修科目未履修問題について
「未履修のまま既に卒業した生徒本人には瑕疵がない。卒業取り消しにはならないだろう。」
と述べました。
とりあえず、私が個人的に懸念していたのは、私の高校卒業資格が剥奪されないのか?という事だったのですが、これでとりあえず安心しました。というのも、私は高校で地歴科目は世界史しか習いませんでした。2年生の時に週に2時間世界史Bの授業があり、3年生では週に2時間世界史Bの授業と、週に2時間日本史Aという名目の元、センター試験対策として政経の授業が行われました。
もちろん、成績表には日本史Aの評価として政経の点数が付けられました。
そして、3年生になる時には、使いもしないのに、2年になる時に既に世界史Bの教科書を買ったにも関わらず、世界史Aの教科書を新たに購入させられました。

1年生の時に、OCという科目がありました。これは英会話を学ぶことによってコミュニケーション能力を身に付けようという目的の科目だそうですが、これも教科書だけ買わされて、授業では、受験に英会話は要らないからという理由で、英文法の授業をしました。

他の高校に進学した友達に尋ねても、同じような話を聞いたので、そっか、教科書だけ生徒に買わせておけば、どんな内容の授業をやろうとも誤魔化しが出来るものなんだなと、その時、私は感じましたし、それについて、ごく当たり前のことなんだなという今日まで認識でいました。

だから、先日の富山での発覚から始まった未履修問題にはとても驚きました。
えっ!そんなどこの学校でもやってる事が実はいけないことだったのか!
どうして、今までこの問題が明るみ出なかったのか?また、なぜ今になって突然この問題が出てきたのか?とても不思議です。
だって、教育委員会の人だって、高校の先生だって、大学の先生だって、国会議員だって、閣僚だって、皆普通の人間です。それぞれに皆、家庭を持っていて、高校生のお子さん、かつて高校生だったお子さんを持つ親である人も大勢います。上に挙げたような人たちは、一般に高学歴の人が多いでしょうから、そのお子さん達も、進学校に通う人が多いことでしょう。自分のお子さんが、学校でどんな勉強をしているのか、していたのか、誰も知らなかったのでしょうか?そんなはずはありません。
場合によってはこうした人たち、本人が、かつて高校生のときにこうした不正履修を経験してきたという人も大勢いるはずです。
何で今になって?本当の高校教育っていったい何なの?大学受験ってそんなに大変なことなの?
いろいろな問題がこれには孕んでいます。

どこかの高校の校長先生が自殺をしました。
自殺しても何も解決しません。それに、これは校長先生が一人で負える責任問題ではそもそもありません。この校長先生が何を考えていたのか本当の事は分かりませんが、非常に身勝手で、我侭で、傲慢であるとしか言いようがありません。
でも亡くなってしまった人にこんな事をいうのも気の毒です。普通、人間は生きることを考えます。どんなに貧しいアフリカの子供たちでも、生きようとするその精神力はとても逞しいものです。
死にたいと思うこと、それはおかしい事です。この校長先生は精神的におかしくなってしまっていたのでしょう。校長先生は何も悪くありません。実は、彼も、このおかしな社会によって殺された、被害者の一人なのです。

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