Monday, December 04, 2006

チャベス大統領

現職のチャベス大統領と野党統一候補ロサレス候補による一騎打ちとなったベネズエラ大統領選で現職のチャベス大統領が当選しました。
チャベス候補は貧困層からの幅広い支持を集めました。彼は貧困層の味方と謳い、貧しい人々が少しでも豊かになれるよう、様々な政策を行っています。彼はまた、豊かな国があるから貧しい国がある。豊かな国が無くなれば我々も豊かになる。という一見最もらしい主張を展開しています。これは一種の共産主義の考え方に近いものがあります。
これを懸念したのが野党のロサレス候補でした。彼は、チャベスのこの共産主義に基づく考えを猛烈に批判しました。しかし、結果的には国民の大半を占める貧困層がそろってチャベス氏を支持したことによって、チャベス氏の再選が決まりました。
チャベス氏はまた、反米派としても知られています。これはアメリカが世界の富を担っているという理論に基づくものです。
今年夏の国連演説でチャベス氏は、
“硫黄の臭いがする!(スペイン語で何と言ったかは忘れましたが)”
と叫びました。ラテンアメリカでは悪魔は地下に住んでいる→地下には硫黄がある→悪魔の臭いがする→同じ演説台でブッシュ大統領が演説していた
つまり、ブッシュは悪魔だ!と叫んだわけです。なかなか頼もしい反米家だと思います。
ブラジルのルラ大統領を始めとし、今、南米では左派大統領の当選が相次いでいます。共産主義が誤っている事はかつてのソビエト崩壊で証明されました。今、再び同じことが繰り返されようとしています。なぜ、同じことが繰り返されるのでしょうか?確かに、皆が平等に豊かになれればそれは良いことです。しかし、それは理想でしかないことは誰もが知っているはずです。なのに何故繰り返されようとしているのでしょうか?
それは、南米の貧困層がいかに貧しいのかという事の表れと言えます。貧しい人達にとって自分の国が共産主義になろうが、資本主義になろうが、アメリカと仲良くしようが、喧嘩しようがそんな事はどうでも良いことなのです。それよりも、自分自身と家族が、明日生きていけるのか?明日も食べていく為に自分はどうすれば良いのか?関心ごとはただそれだけなのです。そこにチャベスという神様の様な人が現れました。彼が反米派だろうが左翼だろうが、そんな事は貧しい国民は何の関心もありません。望むのは自分自身の生活向上だけなのです。
ところで、なぜ南米は、貧困層が大変多いのでしょうか?それはチャベス氏の主張通り豊かな国があるからです。それはアメリカ等の先進国。もちろん日本もそれに含まれます。日本はブラジルからのコーヒーを始め多くの農産物を輸入し、日本から南米へは機械、自動車などを輸出しています。言い換えれば、南米は農業国、日本は工業国です。農業は天候に大きく左右され、凶作の時は収穫が少なく儲かりません。また、豊作の時は収穫が増えるものの、値段が下がるため、やはり儲かりません。それに天候はどうやって予想がつくのでしょうか?天候の予想は不可能、つまりどれだけの収穫を得られるかは予想をすることが出来ません。つまり、どれだけ儲けることが出来るか、予め予想しておくことが出来ません。収入が不安定になります。
一方、工業国であれば、晴れでも雨でも安定して、商品を作ることが出来、予め収入の予想を立てることが出来、収入が安定します。それはつまり、社会の安定を意味し、安定した社会を基盤として国が発展します。
つまり、工業国は農業国の利益を搾取し、豊かになっているのです。
南米の貧困層がどうすれば裕福になるのでしょうか?その解決はチャベス氏の主張通りなのかもしれまん。

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